「顧問税理士をつけるタイミングがわからない。」
このようなご相談をよく頂きます。
今回は顧問税理士に依頼するタイミングと考慮するべき事をまとめました。
※この記事は現役税理士の山口由美子監修のもと作成しております。
そもそも税理士の仕事とは
税理士に依頼をするかどうかを考える際には、まず、税理士がどのような作業を行ってくれるのかを知っておく必要があります。実は、税理士には税理士にしかできない仕事があります。これを「独占業務」といいます。税理士の独占業務には、税理士法で次の3つが定められています。
1.税務書類の作成
税務書類の作成とは、確定申告に必要な申告書や、届出書などを作成することです。税金の計算などには特別な知識が必要なため、税理士が個人事業主に代わって作成することが認められています。
2.税務代理
税務代理とは、税金の申告や申請・届け出を個人事業主に代わって税務署に行うことをいいます。税務調査への立ち会いも、税務代理に含まれます。
3.税務相談
税務相談とは、「個別的で具体的な」相談のことです。SNSなどでは一般的な税務の話をしている方がいますが、一般的な話については、税務相談には該当しません。そのため、具体的な税務の話になると、税理士に相談ということになります。
税理士に依頼するタイミングと考慮するべき事
では個人事業主の場合、どのタイミングで税理士に依頼すれば良いのでしょうか。
1.売上規模
売上高が1,000万円を超えるような方は、顧問税理士を検討するのもいいでしょう。売上高1,000万円を超えていると、消費税の課税事業者になります。課税事業者になった場合、消費税の納税額を計算し、消費税の確定申告をしなければならず、税金の計算が複雑になるからです。
2.取引が複雑、または取引数が多いかどうか
取引が複雑かどうか。または取引の数によっても変わってきます。例えば、海外から商品を仕入れて販売をしていたり、設備投資を多くする場合は、税金の計算も複雑になります。また、在庫を持つのか持たないのかも、1つのポイントです。
3.節税対策
売上高が多くなるにつれて、節税についても考える必要があるでしょう。ただし、個別的で具体的な節税アドバイスを必要とするような売上高になるまでは、顧問税理士をつける必要はないでしょう。
4.法人化を検討している
個人よりも法人の方が、書類作成の手間が大きく増えます。法人成りを検討している場合は、顧問税理士を検討するのもいいでしょう。
5.税務相談を好きなだけしたい
税務相談は税理士にしか出来ない独占業務です。何か疑問が出た時にGoogleやYouTubeで調べると、税務知識に関してのコンテンツが出てくると思います。しかし、「結局これって自分の場合はどうなんだろう?」「自分の場合は、どう行動すれば一番お得なのかな?」「個別的で具体的なアドバイスが欲しい」こういった事を感じることが多い場合は、顧問税理士をつけるフェーズにあると思います。
まとめ
個人事業主が顧問税理士を検討するときに考えるべき要素は以下の通りです。
・経理業務の手間の増加
・支払う税金の増加
・消費税を払っているかどうか
・個別的で具体的なアドバイスが欲しいかどうか
自身の現在の状況と照らし合わせて、税理士に依頼した方がいいか、検討してみましょう。
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