2025/01/18

日本の税金は高い？低い？世界と比べてどうなのか徹底解説

「日本の税金は世界と比べて高いのか低いのか、具体的に知りたいけど、情報が複雑でよくわからない…」と感じている方も多いのではないでしょうか？

本記事では、日本の税金の特徴、世界各国の税金水準との比較、日本の税金が高いと言われる理由、そして税金の使い道と課題について詳しく解説します。
税金に関する疑問を解消し、日本の税金制度についてより深く理解することで、納税者としての意識を高め、より良い社会の実現に貢献できるでしょう。

税金の種類に関してはこちらの記事をご覧ください。
日本の税金の種類｜国税や地方税など一覧と分類を解説

日本の税金の特徴

日本の税金の特徴は、世界的に見て、高いのか低いのか、議論が分かれるところです。
確かに、所得税や消費税といった主要な税金の税率は、OECD諸国と比べて高い部類に入るかもしれません。
しかし、社会保険料や地方税などを加味すると、必ずしも高いとは言えない側面もあります。

例えば、社会保険料は、医療費や年金などの社会保障制度を支える重要な財源です。
日本は、国民皆保険制度や充実した年金制度など、世界的に見ても手厚い社会保障制度を備えています。
その一方で、社会保険料の負担は、国民にとって大きな負担となっています。
また、地方税は、地域住民にとって身近な公共サービスの財源となります。
日本の地方税は、地方自治体の自主財源として重要な役割を果たしていますが、地方税の税率は地域によって異なり、中には高い地域も存在します。

このように、日本の税金は、税率だけでは判断できない複雑な側面があります。
税金は、社会福祉や公共サービスといった様々な社会機能を支える重要な財源であり、その負担は国民一人ひとりに大きな影響を与えます。
そのため、税金制度の是非については、様々な意見や立場から議論されるべきでしょう。

世界各国の税金水準との比較

日本の税金は、実は、一概に「高い」とか「低い」と断定することはできません。
なぜなら、国によって税金の制度や課税対象が異なるからです。

例えば、所得税は多くの国で課せられていますが、税率や所得区分は国によって大きく異なります。
また、消費税は日本のように広く課せられている国もあれば、特定の品目だけに課せられている国もあります。
さらに、不動産税や相続税など、国によって課税対象や税率が大きく異なる税金はたくさんあります。

では、実際に日本の税金は世界と比べてどうなのでしょうか？
OECD（経済協力開発機構）の統計によると、日本の税収はGDP比で32.2%となっており、OECD加盟国の平均33.9%よりも低い水準です。
しかし、これは税収全体の話であり、個別の税金で見ると、日本の税金は高いと感じる人もいるかもしれません。
例えば、法人税は、日本の税率は23.2%と、OECD加盟国の平均23.3%とほぼ同じ水準です。
しかし、日本の法人税には、利益剰余金に対する課税など、他の国にはない課税制度があるため、実質的な負担は他の国よりも大きくなる可能性があります。
また、消費税は、日本の税率は10%と、OECD加盟国の平均19.2%よりも低い水準です。
しかし、日本の消費税は、食料品や医療費など、生活必需品にも課せられているため、実質的な負担は大きいと感じる人もいるかもしれません。

このように、日本の税金は、税収全体で見ればOECD加盟国の平均よりも低い水準ですが、個別の税金で見ると、高いと感じる人もいるかもしれません。
税金は、社会福祉や公共サービスの財源となる重要なものです。
世界各国の税金制度を理解し、日本の税金の現状について深く考えることは、私たちにとって大切なことです。

日本の税金が高いと言われる理由

日本の税金が高いと言われる理由はいくつかあります。

まず前提として、日本の税収はGDP比で約30%と、OECD加盟国の平均である34.3%と比べて低い水準です。
しかし、国民一人当たりの税収は、OECD加盟国の中でも上位に位置しており、これは国民一人当たりの所得が低いことが要因として考えられます。
つまり、国民全体で見た税収は低いですが、一人当たりの負担は大きいということです。

次に、日本の税制は、所得税、法人税、消費税など、多くの種類の税金が課せられていることが挙げられます。
特に、所得税は累進課税を採用しており、所得が多い人ほど高い税率が適用されます。
これは、社会福祉制度や公共サービスの財源を確保するため、所得の高い人からより多く税金を徴収しようとする考え方によるものです。

さらに、日本の税金は、社会保険料なども含めると、非常に高額になることも指摘されています。
社会保険料は、国民健康保険、厚生年金保険、介護保険など、様々な社会保険制度の財源として徴収されます。
これらの社会保険料は、国民の健康や生活を支えるために重要な役割を果たしていますが、その負担は決して小さくありません。

このように、日本の税金は、世界と比べて高いと言われる理由として、国民一人当たりの税収の高さ、多種類の税金、そして社会保険料の負担などが挙げられます。
しかし、これらの税金は、社会福祉制度や公共サービスの財源を確保するために不可欠であり、国民一人ひとりの生活を守る上で重要な役割を果たしています。

日本の税金の使い道と課題

日本の税金は、国民の生活や社会を支えるために重要な役割を担っています。
国民から集められた税金は、教育、医療、社会保障、インフラ整備など、様々な分野に活用されています。
例えば、国民皆保険制度を支える医療費や、子供たちの教育費、高齢者の生活を支える年金など、私たちの生活に密接に関わる多くの制度が税金によって成り立っています。
しかし、日本の税金は世界的に見て高いのか、低いのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。実際、日本の税収は主要な先進国の中では低い水準にあります。

一方、日本の税金は、国民の負担感も高く、無駄が多いという指摘もされています。
税金の使い道について、国民の理解が不足しているケースも多く見られます。
例えば、税金の使途をわかりやすく示す情報公開が不足している、税金の無駄遣いを防ぐための制度が不十分である、などの課題が挙げられます。

税金がどのように使われているかは下記記事をご覧ください。
日本の税金は何に使われている？国税や地方税ごとにご紹介

政府は、税金の使い道について国民への説明責任を果たし、透明性と効率性を高めるための取り組みを進めていく必要があります。
また、国民も税金がどのように使われているのか、関心を持ち、積極的に意見を表明していくことが重要です。
税金は、私たち一人ひとりの生活を支えるための大切な財源です。
より良い社会を実現するためには、税金について深く理解し、建設的な議論を進めていくことが不可欠です。

所得税、消費税に関して

「日本の所得税は高いの？」という質問をよく耳にするかもしれません。
実は、日本の所得税は、OECD諸国の中でも比較的低い部類に入ります。
OECDのデータによると、日本の所得税率は、2019年時点で約30%です。
一方、アメリカは約37%、イギリスは約40%となっています。しかし、これはあくまでも平均的な税率であり、所得や家族構成によって税率は大きく異なります。
また、日本には社会保険料や消費税など、所得税以外にもさまざまな税金が課せられています。

また、消費税はどうかというと、日本の消費税率は、2019年時点で10%です。
これはOECD諸国の中では低いと言えます。
例えば、ドイツは19%、フランスは20%、イギリスは20%です。
ただし、日本の消費税は、食料品や医療費など、生活必需品にも課せられるため、生活への影響は大きいと言えるでしょう。

このように、日本の税金は、他の先進国と比較して高い部分もあれば、低い部分もあります。
税金の高さは、個人の所得や家族構成、そして生活様式によって大きく異なるため、一概に「高い」か「低い」と断言することはできません。

まとめ

世界各国の税金制度を比較すると、日本の税金は決して高いとは言えません。
OECD諸国と比較すると、法人税率は平均レベル、消費税率は低い水準です。
しかし、社会保障制度が充実しているため、国民負担率は高いと言えます。
日本の税金は、社会福祉、教育、インフラ整備など、国民生活の向上に役立てられています。
税金に関する疑問を解消することで、納税者としての意識を高め、より良い社会の実現に貢献できるでしょう。

税金関連で毎年皆様の頭を悩ませるのは確定申告だと思いますが、あいせ税理士法人では法人・個人問わず確定申告のサポートもしておりますので、お気軽にご相談ください。

あいせ税理士事務所は東京都と山梨県に事務所を構えておりますので、税金関連でお困りの際はご連絡ください。
東京オフィスはこちら
 山梨オフィスはこちら

参考：税の国際比較（国税庁）