「自分で確定申告をしたいけど、青色申告の条件がわからない…」そんな悩みをお持ちではありませんか?
本記事では、確定申告の青色申告の対象になる所得を解説します。
事業所得や不動産所得など、青色申告対象となる所得の種類、青色申告を行うための条件、さらに最大65万円の青色申告控除を受けるための条件など分かりやすく解説いたします。
青色申告の対象となる所得の種類
申告納税制度では、納税者は日々の取引を記録し、書類を保管する義務を負います。
この制度では、納税者が自身の収入や経費などを正確に把握し、申告する必要があります。
青色申告は、申告納税制度における有利な制度の一つで、正確な記帳を行う納税者に対して、税制上の優遇措置が適用され、正しく申請を行なえば最大で65万円の控除を受けることができます。
これらの優遇措置を活用することで、納税者は節税効果を得ることが可能です。
下記では青色申告の対象となる所得を解説していきます。
事業所得
事業所得とは事業から得た所得のことで、何らかの継続的な活動を通じて利益を得ているものになります。
具体的には下記のようなものが当てはまります。
- 商売(例:小売業、卸売業など)
- 製造業(例:工芸品や食品などの製造)
- サービス業(例:美容室、レストラン、エステサロンなど)
- 専門職(例:弁護士、税理士、医師などの専門職)
- 農業、林業、漁業(例:農産物の生産や販売など)
など
上記のような事業で所得を得た場合、事業所得となります。
不動産所得
不動産から得られる収入は、不動産所得と呼ばれ、賃貸による収入を指します。
物件の種類は、アパートやマンション、駐車場、貸地など様々です。
具体的な収入には、家賃収入、駐車場収入、土地賃貸収入などが含まれます。
不動産所得は、収入から経費を差し引いた金額で計算され、経費には、固定資産税、都市計画税、修繕費、管理費、借入金の利息などが含まれます。
正確に算出するには、収入と経費を把握することが重要です。
不動産所得の計算方法や申告方法について詳しく知りたい場合は、税理士にご相談することをお勧めします。
山林所得
山林所得は、山林の伐採や立ち木のままの売却によって得られる所得を指します。
山林を取得後5年以内に伐採による所得を得た場合、または立ち木のまま売却した場合には、事業所得または譲渡所得のいずれかに分類されます。
ただし、山林全体を売却した場合には、譲渡所得となります。
給与所得
会社員など、勤務先から給与や賞与を受け取る場合に発生する所得を、給与所得といいます。
給与所得には、給与、賞与、退職金、退職慰労金などが含まれます。この所得は、所得税の対象となります。
給与所得の計算方法は、以下のとおりです。
給与所得 = 給与 + 賞与 + 退職金 + 退職慰労金 – 各種控除
各種控除には、社会保険料、税金、所得税、住民税などが含まれます。
給与所得から各種控除を差し引いた額が、課税所得となります。
給与所得の課税方法は、累進課税です。
累進課税とは、所得が多いほど税率が高くなる課税方法のことで、給与所得に対する税率は、所得税の累進課税率表に基づいて計算されます。
基本的に会社員などの場合は、会社が給与所得の申告を代行します。
しかし、給与所得以外の所得がある場合は、自身で申告する必要があります。
給与所得に関して、疑問点がある場合は、税理士もしくは税務署へ相談することをおすすめします。
譲渡所得
土地・建物(不動産)や株式・証券、事業用資産(機械や車両など)などを売却した際に得られる所得を譲渡所得と言います。
青色申告をしている場合、事業用資産を売却した際の損失は「損失の繰越控除」として、他の年の所得と相殺できる場合があります。
利子所得
利子所得は主にお金を貸すことによって得られる利息が該当します。
預金、債券、貸付金などの利子で得た利益のことで、計算は基本的に次のように行います。
利子所得=利子収入額-必要経費
通常「必要経費」が発生することはありませんが、事業関連で利子を得た場合は経費として計上できるケースもあります。
配当所得
株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、その保有期間中に受け取る利益を、配当所得と呼びます。
具体的には、株式の配当金や投資信託の分配金などが該当します。
配当所得は、投資によって得られる利益であり、投資家にとって重要な収入源の一つです。
配当所得を得るためには、株式や投資信託などの金融商品に投資する必要がありますが、投資した金融商品の種類や発行会社によって、その金額や支払時期が異なります。
一時所得
一時所得は通常の事業活動や生活の中で継続的に得るものではない、突発的な所得のことで、主に下記のようなものになります。
- 懸賞金や宝くじの当選金
- 保険の満期金や解約返戻金
- 臨時的な報酬や謝礼金
- 遺産や贈与による一時的な収入
雑所得
雑所得は上記の所得(事業所得や給与所得、利子所得など)に該当しない所得を指します。
一時所得との違いは、定期的ではないが一定の期間にわたり続く可能性があるものを雑所得、突発的(一回限り)の所得が一時所得になります。
雑所得は主に下記のようなものになります。
- フリーランスや副業から得た収入(仕事の報酬や謝礼など)
- 執筆や講演料(ライターや講師業の報酬など)
- 副収入(ネットオークションやフリマでの売上など)
- アフィリエイト報酬
- 雑誌・本の印税やオンラインコンテンツの収益
青色申告を行うための条件
青色申告を行うためには、まず確定申告の際に青色申告を選択する必要があり、主に事業を営んでいる人を対象にしています。
例えば、自営業やフリーランス、農業、自由業(ライター・デザイナーなど)などが該当します。
また、不動産所得(賃貸物件の家賃収入など)がある人も対象になります。
青色申告を正しく行うためには、まず青色申告承認申請書を提出する必要があり、開業した年の翌年3月15日までに提出するようにしましょう。
また、帳簿を正確に記帳し、必要な書類をすべて保管しておく必要もあります。
例)現金出納帳、売上帳、経費帳など
10万円の青色申告特別控除は、現金主義や簡易帳簿による記帳でも利用できます。
65万円の青色申告特別控除を受けるための条件
青色申告では最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
その際は次の条件を満たす必要があります。
(1) 複式簿記を採用し、決算書を提出すること
青色申告特別控除65万円を受けるためには、複式簿記を採用して、損益計算書と貸借対照表を作成し、確定申告に提出する必要があります。
(2) 帳簿の正確な記帳と提出
記帳が不正確だった場合や、必要な書類が不足している場合、青色申告特別控除は適用されません。
したがって、帳簿を正確に記帳し、税務署に提出することが重要です。
青色申告の基礎知識
青色申告は、事業所得や不動産所得など、様々な所得を持つ個人が、税金対策に活用できる制度で、最大65万円の控除を受けるためには複式簿記を採用し、正確な書類を提出する必要があるので注意が必要です。
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参考:青色申告制度(国税庁)
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