技術職などの理系職とは異なり、事務職の仕事は成果が分かりづらいです。そのため、人事評価を適切に行うことも難しく、従業員から不満が出ることも珍しくありません。企業としては、できるだけ早く妥当性のある目安を設けることが大切です。そう言われても、何をどれくらい重視すべきか分からないという人もいるでしょう。
本記事では事務職の人事評価に着目し、評価基準項目の設定方法について詳しく解説します。
成果や貢献度に注目した設定
事務職の成果は売上や販売数などの形となって表われません。だからといって他の職種と比べて重要度が低いわけではなく、別の形で貢献しているのが一般的です。営業職のような数値目標は設定しづらいことも多いでしょう。そのため、性質的な面にフォーカスして成果を評価するのが基本です。たとえば、「経理上のミスを削減するために工夫した」など、具体的な努力についてヒアリングします。一定のスパンでどれくらい改善できなのか確認し、それを業績と見なすことで公平性を保つことが大切です。組織の目標を設定したうえで、その方向性に合致するように評価基準項目を決めなければなりません。
最もシンプルな方法として、事前に課題を挙げておくことが挙げられます。それをクリアするために行った取り組みの程度によって評価するというものです。日常の一つひとつの業務ではなく、最終的な結果で判定できる項目にすれば、事務職であっても企業への貢献度が分かりやすくなります。
能力面にフォーカスした設定
能力面に注目した評価基準項目を設けることも忘れてはいけません。事務職の業務の大半はルーチンワークなので、スピードや仕上がりに個人差が生じにくいです。だからこそ、他の従業員より短時間で完成させられる人は重宝されます。
たとえば、手作業による集計が当たり前だった部署で働く場合、必ずしも伝統的な手順を踏襲する必要はありません。表計算ソフトでマクロを作成するなど、時代とともに選択できる手段は増えています。そのスキルを習得し実践することで、ルーチンワークにおいても他社との差別化が可能です。そして、それを評価基準項目に設定することで、能力面に関する競争意識を創出できるようになります。そこでポイントになるのが必達目標には設定しないことです。あくまでも事務所であり、日々の業務を着実に遂行することがポイントになります。それ以外のプラス査定と位置づけることで、キャリアの上昇志向を持たせやすくなるでしょう。
ヒューマンスキルに基づく設定
事務の成果や能力だけを評価基準項目にする必要はありません。業務を遂行するうえで、いわゆるヒューマンスキルも重要になるからです。企業で働く以上、他の従業員と連携しながら働く必要があります。リーダーとしてチームを牽引していく役割を担う人もいるでしょう。つまり協調性やリーダーシップなども、事務の仕事にとって大切な要素となっています。その部分を無視して評価すると、ただ言われた仕事をこなす人と同じ査定になりかねません。そうなるとモチベーションを大きく損ねてしまい、単独のスタイルを貫く従業員が増えやすいです。これは企業にとってマイナスであるため、やる気を持てる評価基準の設定が必須です。
職務を全うする姿勢で仕事に臨んでいるのかチェックしてください。周囲の印象を参考にするために、360度評価を導入することも一つの手です。営業職や企画職など、本人と関わりのある他部署の人の意見も参考になります。
まとめ
従業員の満足度を高めることも企業の大きなテーマです。労働力人口の減少が社会問題になっており、その中で有能な事務職を確保することは容易ではありません。納得してもらえる待遇の提供が、そのような人材の定着に繋がっていきます。これを実現するには適切な評価基準の設定が不可欠です。
事務の仕事でも注目すべきポイントはたくさんあります。それらを見逃さない視点を持ち、適切だと感じてもらえる人事評価を続けていきましょう。
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