確定申告は、一年間の所得に対する税金を計算し、申告する手続きです。
しかし、確定申告は年齢によって影響を受けることがあります。今回は、確定申告と年齢の関係について詳しく見ていきましょう。
※この記事は現役税理士の木住野祐希監修のもと作成しております。
確定申告と年齢の関係
年齢は確定申告に大きな影響を与えます。とくに、年金受給者や未成年者、扶養家族の有無などは、確定申告の内容に大きく影響します。
課税と年齢の関連性
所得税は、個人の所得に対してかかる税金です。1月1日から12月31日まで1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を掛けて税額を計算します。所得税の申告で使用する所得控除には、扶養親族の人数をはじめ個人的な事情を考慮して税負担を調整するものがあります。
年齢が確定申告に及ぼす影響
年齢は、所得控除の対象となる扶養親族を計算する際に必要です。所得税の計算に大きな影響を与えます。たとえば、以下の4つのケースが該当します。
- 年金受給者の確定申告
- 勤労学生の確定申告
- 未成年者の確定申告
- 扶養親族の確定申告
年齢と所得の状況を正確に把握し、確定申告の必要性について確認しておきましょう。
20歳以下の確定申告者のケース
未成年者でも確定申告が必要なケースがあります。たとえば、年間の給与収入が2000万円を超える場合や、1カ所から給与を受けていて所得税は源泉徴収されているが、給与以外の所得の合計が20万円を超える場合などです。未成年者が個人で事業を行っている場合のほか、学生のアルバイトも対象です。収入があれば、年齢に関係なく収入を得ている本人を対象に確定申告が必要です。
年齢に基づいた確定申告の主な対象者と要件
年齢に基づいて確定申告の対象者と要件が変わることがあります。以下の表は、扶養親族と年齢、控除額をまとめたものです。
年金受給者の確定申告の注意点
年金受給者は、年金所得に対する税金を計算し、申告する必要があります。年金所得は、その性質によって異なる税率が適用されるため、注意が必要です。通常、年金所得のみの場合は、支給時に源泉徴収されるため確定申告は不要です。しかし、年金受給者であっても年金以外に収入がある場合や、医療費控除の申告が必要な場合は、確定申告が必要になる場合があります。
控除で注目すべき扶養控除との関連性
扶養控除は、納税者と生計を一にしている親族の数に応じて所得から控除されます。「生計を一」とは、日常生活に必要な支払等を行うサイフが同じであることです。扶養控除は、納税者の税負担を軽減するためのもので、年齢によって扶養家族の数が変わるため、確定申告に影響を与えます。
未成年者の確定申告の要件
未成年者のアルバイトは、確定申告の対象です。ただし、年間の所得が20万円以下の場合は確定申告が不要です。親の扶養に入っている場合でも、所得が20万円以下であれば扶養親族から外れることはありません。
ただし、未成年で扶養親族の対象となる年齢は16歳以上です。たとえば、大学や専門学校に通う19歳から23歳前後の子どもは、アルバイト等で所得が20万円以下であれば「特定扶養親族」に該当します。
まとめ
確定申告は、年齢によってその内容が大きく変わることがあります。年金受給者や未成年者、扶養家族の有無など、個々の状況によって確定申告の方法や必要な手続きが変わるため、自身の状況をよく理解し、適切な確定申告を行うことが重要です。税理士に相談することで、自身の状況に最適な確定申告の方法を見つけることができます。
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