内閣府が15日発表した平成29年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0・3%増、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で1・4%増だった。プラス成長は7四半期連続で、約16年ぶりの長さ。天候不順などで低迷した個人消費を、海外景気の回復による輸出増が補った。4~6月期は消費などの内需が牽引(けんいん)したが、7~9月期は一転、「外需主導型」の成長へと逆戻りした。
7四半期連続のプラス成長は、ITバブル期に重なる11年4~6月期から13年1~3月期にかけての8四半期連続以来の長さとなる。菅義偉官房長官は記者会見で「景気は緩やかに回復している。この回復基調が続くよう政策推進に取り組む」と述べた。
ただし需要項目別で見ると、内需の弱さが目立つ。個人消費は0・5%減と7四半期ぶりにマイナス。0・7%増と高い伸びを記録した4~6月期の反動が出たことに加え、台風や長雨で、飲食サービスや宿泊が低迷した。9月に発売された新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)8」の販売が伸びず、携帯電話が不振だったことも響いた。
また住宅投資も0・9%減と7四半期ぶりのマイナスだった。相続税対策として一時盛り上がった賃貸アパートの建設需要が落ち込んだことが響いたとみられる。企業の設備投資は0・2%増だったが、4~6月期の0・5%増からはプラス幅が縮小。工作機械やソフトウエアの不振が伸び率を押し下げた。
さらに公共投資も2・5%減と3四半期ぶりのマイナスで、28年度第2次補正予算の効果が弱まった影響が出た。
一方、アジアや米国など海外経済の堅調さを背景にした外需の強さを反映し、輸出は1・5%増となり、2四半期ぶりにプラスへ転じた。中国向けのスマートフォン用電子部品や米国向けの自動車が増えた。輸入は1・6%減で、5四半期ぶりにマイナスとなった。携帯電話や企業向けサービスが低迷した。
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