このほど発表された「長江デルタ地域デジタル経済と人材発展の研究報告」によると、長江デルタ地域には世界と中国国内のハイレベル人材やデジタル人材を誘致する強い力があり、中でも上海市、杭州市、蘇州市の誘致力が総合的にみて最強だという。労働報が伝えた。
■若者の第一の選択肢はやはり上海
世界と香港・マカオ・台湾の人材流動という角度からみると、長江デルタのどの側面でも人材は純流入の状態にあり、中でも上海は流入と流出の絶対数が最も大きい。浙江省金華市と江蘇省常州市は高度成長期にあり、世界と香港・マカオ・台湾の人材への誘致力とその保留率はいずれもトップクラスだ。これら人材の流入の流出に対する比率が最も小さいのは南京市と合肥市で、いずれも教育産業が発達し、人材の育成・供給都市とみなされているところだ。
長江デルタ各都市の人材流動という角度からみると、ハイレベル人材の誘致力が最も高いのは上海、次が金華だ。デジタル人材の誘致力が最も高いのは杭州で、蘇州もデジタル人材純流入都市だ。
上海科学技術政策研究所の楊耀武(ヤン・ヤオウー)研究員は、「ここから若い人が真っ先に選ぶのはやはり上海だということがわかる。上海は人を育て、人を成功に導く、人材の中心地であり、ターミナル駅だ。長江デルタ地域はデジタル経済発展のモデルとなり、牽引する地域として、地域の枠を超えた人材戦略という総合的な計画配置を重視し、人材の効率のよい集積と流動を促進しなければならない」と話す。
■長江デルタのデジタル経済はバージョンアップが必要
同報告によると、長江デルタ地域でハイレベル人材の占める割合が多い5大産業は情報通信技術(ICT)、製造、企業向けサービス、消費財、金融だ。人材をめぐるデジタル化によるモデル転換のレベルが高い5大産業は上から順に、ICT、製造、消費財、金融、企業向けサービスとなっている。いずれも長江デルタ地域の現在の発展の重心と合致する産業だ。
ハイレベル人材が学生時代に何を専攻していたかをみると、人文科学とコンピューターが数量も順位も上で、ここからICT産業発展には専門性の高い人材という着実な基礎が備わっていることがわかり、またICT産業と製造業のデジタル化モデル転換のレベルがうかがえる。
データによると、デジタル人材は高い職位に占める割合が低く、低い職位が大部分で、長江デルタ地域のデジタル経済にはまだ大きなモデル転換・高度化の可能性があるといえる。
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