「追日プロジェクト」と呼ばれる宇宙太陽光発電所プロジェクトがこのほど、西安電子科技大学で始動した。これは国家級高水準科学研究プラットフォームを構築し、戦略的新興産業を発展させる重大な研究開発プロジェクトだ。宇宙太陽光発電所は宇宙で太陽エネルギーを電力に変換し、これをワイヤレスエネルギーとして地上に戻し、最終的に直流電流に変換し一般的な電力網に送り込むことで、太陽エネルギーの利用率を大幅に高めることができる。人民日報が伝えた。
同校の段宝岩院士が率いるチームは現在、世界初の全システム・全エネルギー変換の宇宙太陽光発電所デモンストレーション・実証実験システムの建設準備を進めている。宇宙太陽光発電所の軌道上での飛行・作業のプロセス全体を完全に再現できるだけでなく、ワイヤレスエネルギー伝送効率も18%を見込む。日本の同等の実験条件の効率を50%超上回る。
段氏のチームは2014年、球面線状焦点の原理に基づく集光プラン、オメガ革新宇宙太陽光発電所プランを打ち出した。このプランは米国最新のアルファプランと比べると、システムの質が同等でも発電能力が24%上回る。これはすでに中国の未来の宇宙太陽光発電所の候補プランになっている。
地上の太陽エネルギーと比べ、宇宙の太陽エネルギーは照射時間が長く、利用効率が高く、エネルギーの密度が高く、持続的かつ安定的で、昼夜と気候の影響を受けないといったメリットがある。もし地球の静止軌道に幅1000メートルの太陽光発電システムを設置し、その変換効率を100%と仮定するならば、1年で受け取れる太陽放射フラックスは、地球上で見つかっている石油可採埋蔵量に含まれるエネルギーの合計に達する。
静止軌道に位置する宇宙太陽光発電所は理論上、24時間連続で給電できる上、CO2を排出しない。そのため人類に豊富で信頼性の高いクリーンエネルギーを提供する、エネルギー問題を根本的に解消する手段として、第4世代エネルギーの代表格になっている。
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