中国工業・情報化部(省)と市場調査会社の賽迪顧問(CCIDコンサルティング)は5日、「2018年中国新エネ路線バス都市普及研究報告書」を発表した。報告書によると、中国では現在路線バス3台中1台が新エネ車を使用している。報告は、路線バスが率先して全面的な新エネ化を実現する見込みと予想している。人民日報海外版が伝えた。
中国科学技術部(省)、中国財政部(財務省)、国家発展改革委員会、中国工業・情報化部が2009年1月に「10都市1000台プロジェクト」を共同で呼びかけ、中・大都市公共交通における新エネ車の発展を重点的に推進した。10年の時を経て、新エネ路線バスはすでに多くの従来のバス取って代わり、全国各地の公共交通の新たな選択肢になっている。
北京では、新エネ路線バスは、長安街を移動する一つの風景になっている。昨年10月には第1陣・10台の1系統EV路線バスが投入された。全長18メートルのボディ、流線型のフォルム、「チャイニーズレッド」の塗装が特に目を引く。その優れた外観の中では、安全性と安定性の高いチタン酸リチウム動力バッテリーが稼働している。15分以内でフル充電し、最大航続距離は130キロにのぼる。同時に低騒音、ゼロエミッション、無汚染を実現している。
勤務歴15年の株洲市T2系統路線バスの運転手、劉さんは「これらの新エネ路線バスを10年運転しているが、とてもありがたい。従来のバスはとっくに引退すべきだったかもしれない。このバスは現在も非常に高性能で、ピーク時に60人も乗せることができる」と話した。株洲公交発展股フン有限公司(フンはにんべんに分)の朱建新副社長は、「第1陣の新エネ車は、新技術・新製品だったのでやや不安だった。しかし10年がたち、これらのバスは燃費がよく、そのコアシステムも非常に安定的であることが分かった」と述べた。
香港に隣り合う深センは、人口1200万人の超大型都市だ。毎日1万6000台以上の路線バスが縦横無尽に行き来しているが、今や汚染ガスを排出するバスは1台もない。深センの新エネ路線バス普及ペースは、海外メディアも驚くほどだ。コロンビアのEl Tiempo紙では、「以前はSF映画にしかなかった光景」「対照的に、西側世界の取り組みは始まったばかり」とのコメントが載っている。
第13次五カ年計画都市公共交通発展計画綱要によると、2020年までに全国重点地域の直轄市、省都、計画単列市規制市街地の路線バスがすべて新エネ車に切り替えられる。中国交通運輸部(省)道路科学研究院は、第13次五カ年計画期間中(2016−20年)、全国の新エネ車のエネルギー消費量が標準石炭換算で593万トン減少し、CO2排出量が1250万トン削減されると予想している。
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