福島県会津若松市で12日、会津乗合自動車(会津バス)が運行する電気バスの出発式が行われた。採用されたのは中国の自動車メーカー比亜迪(BYD)の車両。中国・経済参考報は「BYDが日本で『逆襲』に成功した秘訣は?」との記事を17日付で掲載している。
記事は冒頭、「12日にBYD製バス3台が会津バスに正式に引き渡された」と述べ、「車体の下半分は緑が基調。上半分は青い空と白い雲、そしてかわいらしい動物のイラストが描かれている」とその外観を紹介。5月に予定されている尾瀬国立公園での運行(福島側ルート)を「雪解けの時期になると3台が尾瀬の一風景になる」との表現で伝えた。
「尾瀬国立公園は福島、栃木、群馬、新潟にまたがる日本最大規模の山岳湿地帯。東日本大震災以降、自然、生態環境の保護に加え、観光によって被災地を復興するという二重の使命を担った」と指摘する記事は、現地の長く厳しい冬が電気バスにとって試練となること、これが会津バス側を慎重にさせたことを説明。その上で、「佐藤俊材社長による紹介」として、BYDが電気自動車のコア技術を握っているだけでなく、巨大な生産規模を誇っていることが会津バスに選ばれた理由と報じた。
記事は「日本は自動車強国。自動車に関する法律や基準、サービス面などでの要求は極めて厳しい。こうした非関税障壁は海外自動車に『しりごみ』をさせている」と指摘し、中国メーカーの日本市場参入にも長時間を要したと説明。「15年になって京都にBYDの電気バス5台が納入された。これでようやく中国の自動車工業60年余りの歴史で、中国の車が日本の街を初めて走行することが宣言された。その2年後にBYDは沖縄にも電気バス10台を納めている」と続け、BYDのアジア太平洋自動車販売事業部の責任者からは「厳格な態度、トップクラスの技術、確かな実力によってはじめてライバルがひしめく市場に立脚できる」「日本で良好な運行実績がなければ、世界の300を超える都市での豊富な運行経験がなければ、欧州連合(EU)の認証がなければ、一連のコア技術の掌握がなければ、今回の協力はこれほど順調に進まなかっただろう」との発言があったことを伝えた。
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