2019年12月24日、中国紙・環球時報(電子版)によると、米外交専門誌ナショナル・インタレスト(電子版)はこのほど、「中国は人工知能(AI)で米国より優位に立っているのか」とする記事を掲載し、次のように伝えている。
米国人の多くは、AI分野で、中国は決して「同等な競争相手」以上のものにはなり得ないと認識している。だが実際、中国は今や、AIのビジネスや国家安全保障への活用において、米国の同等な競争相手として存在している。中国は単にAI技術を習得しようとしているだけでなく成功している。いくつかの分野について、この二つのライバルの立ち位置を見てみたい。
消費者が市場で選択する製品がそれを物語っている。フィンテックでは、中国は「孤高」だ。テンセントのウィーチャットペイには9億人の中国人ユーザーがいるが、アップルペイは米国では2000万人しかいない。機能に関しても、ウィーチャットペイはアップルペイよりもはるかに多くのことができる。中国の消費者がウィーチャットペイを使用する過程において、AIシステムは個々の消費者行動に関する詳細なデータを生成する。米国でのモバイル決済取引額は中国の50分の1だ。
顔認識において世界で最も価値のあるAIスタートアップは中国企業のSenseTime(商湯科技)だ。この分野では米中の競争は全く存在しない。個人のプライバシーに対する懸念から、米国はこのレースを諦めている。
音声技術でも、中国企業は英語を含むすべての言語で米企業に勝利している。世界トップの音声認識スタートアップは中国のiFLYTEK(科大訊飛)で、アップルのSiriのほぼ2倍に相当する7億人ものユーザーを抱えている。
5Gインフラは、AIを日常生活に導入するためのバックボーンになる。5Gインフラ構築における上位4ブランドのうち二つは中国企業であり、米企業はゼロだ。中国企業が所有する5G必須特許は米国企業の2倍だ。
金融市場はこれらの現実を反映している。5年前、世界で最も価値のあるインターネット企業20社のうち中国企業は2社だけだった。だが今では9社だ。「AI時代の7大企業」は太平洋の両側で分割されている。2018年にAIに投資したベンチャーキャピタルの10ドル中5ドルが中国のスタートアップに対するものであり、4ドルが米国企業に渡っている。
AIの研究開発に対する中国の投資は米国と同じ水準まで急増しており、効果は現れ始めている。中国は現在、AIの世代間の優位性のための知的基盤を築いている。アレン人工知能研究所の評価によると、ほかの研究論文への引用数が多いAI研究論文に占める中国の割合は米国を追い抜くとみられている。
中国は必要なハードウェアにも多額の投資をしている。中国は2001年の時点ではスパコンランキングTop500に入るシステムを一つも保有していなかったが、現在は219台(米国は116台)に上っている。
昨年の航空ロボット国際競技会のトップ3はみな中国のチームだった。高校生を対象としたプログラミング能力を競う国際情報オリンピックの金メダル総数は、中国が84で米国は52だ。
こうした成功は、中国が人材育成に行った投資を反映している。AIでは、計算能力よりも脳力が重要だ。中国では毎年、米国より4倍も多い数の学生がSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の学士号を取得している。中国で海外留学先から帰国した人の出国者数に占める割合は、30年前は20人中1人だったが、現在は5人中4人となっている。
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