中国の高速鉄道は今や鉄道の春運(春節<旧正月>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)の絶対的な担い手だ。2018年末現在、営業キロは2万9000キロメートルを超え、ますます多くの高速鉄道路線が旧暦の亥年の春運の「厳しい戦い」に投入され、より多くの利用客に快適で便利な移動手段を提供している。ただ、走り去る車窓の景色を眺めながら、多くの利用客が「どうして中国の高速鉄道は橋の上を走るものが多いのか」と疑問に感じている。そこで中国鉄路設計集団有限公司橋梁院の蘇偉(スー・ウェイ)チーフエンジニアを訪ねて話を聞いた。経済日報が伝えた。
現在、中国の平野部を走る高速鉄道の多くは橋梁が中心で、山間部もトンネル以外はほとんどが橋梁になる。中国で初めて時速350キロメートルを達成した高速鉄道は橋梁部分が88%を占め、京滬高速鉄道も86.5%を占める。蘇氏は、「高速鉄道の橋梁は列車に安全性、高い平坦性、安定した線路を提供することが可能だ。それが高速鉄道の設計でカギを握るようになった」と述べた。
橋梁は鉄道の基本的な構成要素の1つで、一番最初に求められる機能は河川や湖沼や海、山や谷をスムーズに越えるようにすることだ。これは広義の橋梁の基本的属性でもある。たとえば中国の有名な武漢長江大橋と南京長江大橋は鉄道で長江を渡るために建設された。
高速鉄道時代になり、橋梁のもつたくさんの優位性が徐々に顕在化してきた。蘇氏は、「橋梁の構造そのものがもつ、必要な土地の面積が線路より少ないという優位性により、平野部の高速鉄道の設計において、中国は橋梁を大量に採用して一般の鉄道路線に多い線路の代わりとした。土地を節約するのは中国の基本的な国策であり、特に人口が密集し、経済が発達した高速鉄道の沿線エリアで橋梁は特別な意義を持っている。統計によれば、『橋梁を線路に変える』と1キロメートルあたり約2.87ヘクタールの土地を節約できる」と述べた。
一方で、列車が高速で運行するには線路への高い条件をクリアしなければならない。通常は曲線半径を大きくしなければならず、地下に回避できない障害物があれば交差しなければならなくなる。橋梁なら障害物をまたぐことができ、都市空間の分断を少なくできる。
実際、高速鉄道の橋梁建設は技術面を考慮しているというケースが多い。高速鉄道は線路の平坦性に対する要求が非常に高く、線路の沈降をミリ単位でコントロールしなければならない。橋梁の杭基礎は深さが数十メートルに達し、100メートルを超えるものもあり、支柱は地下にどっしりと根を下ろすことができ、沈降量のコントロールがしやすくなり、さまざまな地質条件における適応性が高くなる。また、高速鉄道の橋梁はコンクリート構造のものが多く、材料の性能が安定しており、運行がスタートしてからのメンテナンス作業が少なくて済む。
蘇氏は、「現在の高速鉄道の橋梁は工場で標準化されて製造され、現場に運ばれて架設施工されるものがほとんどだ。建設工事の質のコントロールが保障されると同時に、工期の大幅短縮も可能になる」と述べた。
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