中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所研究員の阮珏(ルアン・ジュエ)氏が率いるチームはこのほど学術誌「ネイチャー・メソッズ」に、第3世代シーケンスデータアセンブリアルゴリズム「Wtdbg」を発表した。第3世代シーケンスデータの分析効率を極めて大きく高めた。今年4月に「ネイチャー・バイオテクノロジー」に掲載されたアルゴリズム「Flye」と比べ分析のペースが5倍に向上するとともに、初めてシーケンスデータ分析時間を生成時間より短くした。経済日報が伝えた。
DNAシーケンス技術は1970年代中頃から後半にかけて成熟した。ヒトゲノム計画が1990年に打ち出されると、ゲノムシーケンス技術は徐々に実験室から商用化の段階に向かった。2004年にヒトゲノム計画が完了する頃になると、第2世代ゲノムシーケンス技術が相対的に成熟し、大規模な商用化が始まった。2013年に単分子などの第3世代シーケンス技術が登場し、シーケンス技術がより広範になり、コストがさらに下がる見通しがついた。
論文の筆者である阮氏は、「今や1人の全ゲノムシーケンスは、一般的な家庭でも費用を負担できる普通のことになった。第3世代を例にすると、そのためにかかる時間は1日で、費用は5万元(約75万円)を切る」と述べた。
阮氏は2013年に、米ハーバード大学医学部の李恒(リー・ヘン)博士と協力し、シーケンスデータのより高い分析速度と分析品質を推進しようと、シーケンスデータ分析方法(アセンブリアルゴリズムなど)の開発を開始した。2016年に研究を終え、研究成果の「Wtdbg」をすべての人に無償開放した。この成果は3年にわたり数十本の学術論文に引用され、さらに国内の多くのゲノムシーケンス分析企業によって主なアセンブリ分析ツールとして利用され、今年の世界大学生スパコンコンテストでは、性能テストの設問になった。
阮氏は「私たちは多くのフィードバックを受けている。これはアルゴリズムソフトの不備の改善に役立つだけでなく、多くのアイデアと発想をももたらしてくれた。アルゴリズムは実践の中で絶えず改善する必要がある。より多くの実際の応用により、このアルゴリズムを効果的に調整・改善できる。現在のアルゴリズムは2016年のものと比べすでに2.0バージョンになっており、より上のバージョンの研究も年初に始まった」と述べた。
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