飛鳥時代の慶雲2(705)年創業とされ、ギネスブックに「世界で最も古い宿」として登録されている山梨県早川町の西山温泉「慶雲館」の運営会社「湯島」が株主総会で解散を決議したことが分かった。慶雲館は別会社が継承した。
慶雲館は藤原鎌足の長男、定恵(じょうえ)が放浪中に見つけたと伝えられている。戦国時代には徳川家康が武田家の重臣、穴山梅雪を誘い、入浴しながら密談したという。梅雪から贈られたとされる銅鑼(どら)も残されている。
東京商工リサーチによると、湯島は昭和26年設立で資本金1千万円。高級温泉旅館としての地盤を固め、平成12年3月期の売上高は9億9600万円。17年には全室に源泉掛け流しの風呂を設置したが、客の減少や価格競争などで売り上げが伸び悩み、28年3月期の売上高は5億9600万円で赤字に転落。昨年6月、会社分割で新設した「西山温泉慶雲館」に旅館事業を譲渡していた。
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