胡潤研究院がこのほど発表した2019年世界富豪番付には、世界67カ国、企業1931社の資産額が10億ドル(1ドルは約110.9円)を超える富豪2470人の名前がみえる。総資産額は前回番付より9500億ドル(9%)減って、9兆6千億ドルになった。同研究院の説明によると、今年は番付に選ばれた人数が記録的に減少し、その主な原因は株式市場の不調とドル高だ。また前回の番付にいたが今回は選ばれなかった人が430人に上り、この数も過去最高だという。
上位10人のうち米国出身者が6人に上った。首位は前回に続いてアマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)で、資産は前年比20%増加して9900億元(1元は約16.6円)に達した。同研究院は、「ベゾス氏はわずか3年でビル・ゲイツ氏の資産にほぼ相当する富を生み出したことになる」と述べる。18年度のアマゾンの純売上高は2329億ドルで同31%増加した。また10億ドルでオンライン薬局のピルパックを買収した。2位はゲイツ氏で、資産は同7%増加の6500億元。同研究院は、「ゲイツ氏は巨額の寄付を行ったが、それでもなお7千億元近い資産を保有している」とする。ゲイツ氏の現在の資産は主に保有するバークシャー・ハサウェイ、ウェイスト・マネジメント、カナディアン・ナショナル・レールウェイ、ウォルマート、キャタピラー、マイクロソフトの大量の株式によるものだ。3位はウォーレン・バフェット氏で、資産は同14%減の5900億元だった。順位も前回の2位から後退した。バフェット氏は昨年、アップル、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの株を買い増しし、JPモルガン・チェース、オラクル、PNCフィナンシャル・サービシズ・グループ、ストーンに出資した。
中華圏の番付をみると、55歳の馬雲(ジャック・マー)氏と家族が資産2600億元でトップ、全体では22位だった。過去1年間、阿里巴巴(アリババ)は米国株式市場における株価がやや値下がりし、現在の時価総額は3兆元に届かないが、それでもなお時価総額最大の中国企業だ。馬氏の傘下の子会社アント・フィナンシャルは18年に900億元と巨額の資金調達を完了し、現在の時価総額は1兆元を超え、世界で最も値打ちのあるユニコーン企業になった。馬化騰氏は資産2550億元で中華圏2位、全体で24位となった。騰訊(テンセント)は18年、聯発科技と共同で革新(イノベーション)実験室を開設し、携帯電話ゲームとその他のインタラクティブ娯楽製品の開発や最適化をめぐって戦略的協力関係を結び、端末サイドでの人工知能(AI)の応用をともに追求した。18年上半期の総収入は1472億元で同39%増加した。
許家印氏は資産2500億元で中華圏3位、全体で26位だった。18年6月、恒大集団は67億元を出資して賈躍亭氏が株式を保有する新エネルギー自動車企業の経営に関わるようになった。また18年は年間の売上高目標5500億元を上回る業績を上げ、19年の目標額を6千億元とした。
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