「士業ってどんな仕事だろう?」「どんな種類があるの?」と、疑問をお持ちではありませんか? 本記事では、士業の種類や仕事内容や特徴について詳しく解説します。
「サムライ業」とも呼ばれる士業の役割や、弁護士、弁理士、税理士、司法書士など、具体的な仕事内容をわかりやすく説明します。
最後まで読めば、士業という仕事の魅力や、自分に合った士業選びのヒントが得られるので、将来のキャリアを考えるうえで参考にしてみてください。
士業とは?種類と仕事内容を分かりやすく解説
弁護士や社会保険労務士など、専門的な資格を持つ職業は、一般的に「士業」と呼ばれています。
これは、資格名称の末尾に「士」の字がつくことからきています。
「士」は「さむらい」と読むことから、これらの職業を「サムライ業」と呼ぶこともあります。
士業は、その資格を持つ者だけが扱える、独占業務を担っています。
そのため、無資格者がこれらの業務を行うことは法律で禁止されています。
「サムライ業」と呼ばれる理由と士業の役割
「士業」という言葉は、古くは武士や侍が担っていた職能に由来すると言われています。
侍は、厳しい教育を受けて武芸や学問を修め、社会の秩序維持や領民の保護に貢献していました。
このことから、現代でも高度な専門知識や技能を必要とする職業を「士業」と呼ぶようになったと考えられています。
現代において「士業」は、弁護士、会計士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、弁理士など、多岐にわたる専門職を指します。
これらの職業は、高い倫理観と専門知識を備え、社会の安定と発展に貢献することが求められます。
8士業の仕事内容
8士業は、職務上、戸籍や住民票などの個人情報へのアクセス権を持つという共通の特徴があります。
これらの情報は、誰でも請求できるわけではなく、特定の資格を持つ専門家のみが請求することができます。
※戸籍は、家族集団を最小単位として、国民を登録するために作成された公文書です。
※住民票は、市区町村が住民基本台帳法に基づいて作成した、住民に関する公的記録です。
8士業には、以下のような専門職が含まれます。
- 弁護士
- 弁理士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 土地家屋調査士
- 海事代理士
弁護士
法律の専門家である弁護士は、人々の基本的人権を守り、社会の公平性を保つという重要な役割を担っています。
弁護士になるには、大学卒業後に法科大学院で法学を学び、厳しい司法試験に合格する必要があります。
国家資格である弁護士資格を取得した後、弁護士会に登録することで、弁護士としての活動が認められます。
弁護士は、法律問題で行き詰まった人々に対して、法的アドバイスや代理人としてのサポートを提供します。
紛争解決や契約交渉など、幅広い業務を扱うため、依頼者の立場に立って最善の行動をとることが求められます。
弁理士
弁理士は、知的財産に関する専門家として、特許出願、実用新案出願、意匠出願、商標出願などの手続きを代理で行うとともに、知的財産に関する相談にも応じています。
弁理士は、特許や実用新案の観点から発明を的確に捉え、最適な権利を取得するための出願を行うことが求められます。
また、特許庁による審査に対応し、必要に応じて出願内容を修正することで、権利取得の可能性を高めることも重要な役割です。
さらに、最新の知的財産に関する知識に基づき、クライアントに対して適切な助言を提供することも弁理士の重要な使命です。
司法書士
司法書士は、不動産や会社などの登記、相続、遺言、成年後見など、幅広い法律問題を専門的に扱う法律家です。
個人の財産や権利を守るための手続きや書類作成をサポートし、トラブルを法的に解決する役割を担っています。
司法書士が扱う主な業務は、以下のとおりです。
- 不動産や会社の登記、供託手続きの代理
- 登記や供託に必要な書類作成
- 登記や供託に関する審査請求手続きの代理
- 裁判所や検察庁への書類作成
- 筆界特定手続に関する書類作成
- 成年後見人、不在者財産管理人、破産管財人などの業務
司法書士は、法律の専門家として、複雑な法律問題を分かりやすく説明し、適切な解決策を提案します。
また、手続きや書類作成を代行することで、依頼者の負担を軽減します。
不動産の売買や相続、会社設立など、法律問題に直面した際は、司法書士に相談することをおすすめします。
行政書士
官公庁への書類作成を専門とする行政書士は、多岐にわたる業務をサポートしています。
- 都道府県庁、市役所、村役場、警察署、消防署など、官公庁への許認可申請書類の作成を代行します。
- 法律に基づく権利義務や事実証明に関する書類作成と手続きを支援します。
- 行政手続きに関する相談業務を行い、必要な情報を提供します。
行政手続きは複雑で、書類の不備や記入ミスが発生しやすいため、時間と労力を要します。
行政書士は、これらの手続きをスムーズに進め、時間とコストの削減に貢献します。
税理士
税理士は、税金に関する専門知識を有する国家資格者であり、企業や個人の税務に関する様々な業務をサポートしています。
- 確定申告や青色申告の承認申請などの手続き、税務調査への対応、税務署の更正や決定に不服がある場合の申立てといった、税務に関する代理業務を行います。
- 確定申告書や相続税申告書、青色申告承認申請書などの税務書類の作成を代行します。
- 税務に関する相談にも対応し、納税に関する疑問や不安を解消します。
- 財務書類の作成や会計帳簿の記帳代行など、企業の会計業務をサポートします。
- 株式会社の役員として、会計参与を務め、取締役と共同で計算関係書類を作成します。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労働に関する専門知識を持つ国家資格を持つ者です。
労働基準法や社会保険法などの関連法令に精通しており、企業や個人が安心して労働環境を構築できるよう、様々な業務を担っています。
その使命は、「労働および社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与し、事業の健全な発達と人材の福祉向上を支援すること」にあります。
社会保険労務士は、企業や個人が抱える労働に関する問題を解決するために、幅広い業務をサポートします。
主な業務内容は下記のとおりです。
- 労働保険、社会保険の手続きに関する書類作成、申請代行
- 労働時間管理、賃金計算、休暇取得に関する相談、助言
- 労使トラブルの予防、解決のための助言、交渉の代理
- 退職金制度、年金制度に関する相談、手続きの代行
- 労働に関する紛争の仲介、訴訟の代理
社会保険労務士は、労働に関する専門知識と経験を活かして、企業や個人が安心して労働環境を構築できるよう、様々なサポートを提供しています。
土地家屋調査士
不動産登記は、不動産の所有権や権利関係を公的に証明する重要な制度です。
登記記録の正確性は、不動産取引の安全確保や財産の明確化に不可欠です。
当事務所は、不動産の状況を正確に登記記録に反映させる専門家として、お客様の不動産取引をサポートいたします。
主な業務内容は以下のとおりです。
- 不動産の表示に関する登記に必要な、土地または家屋に関する調査および測量
- 不動産の表示に関する登記の申請手続きの代理
- 不動産の表示に関する登記に関する審査請求の手続きの代理
- 筆界特定の手続きの代理
不動産に関する登記は、複雑な手続きや専門知識が必要となる場合が多く、誤った手続きや書類作成によって、思わぬトラブルに繋がる可能性もございます。
当事務所は、お客様の大切な財産を守るため、豊富な経験と専門知識に基づいた丁寧なサポートを提供いたします。
海事代理士
海事代理士は、船舶に関する様々な手続きを専門的に扱う、いわば海の法律のプロフェッショナルです。
具体的な業務内容としては、船舶の建造や売買、相続や廃船といった登記、登録、検査、検認手続きなどが挙げられます。
さらに、船員の雇用や海技資格取得・更新といった手続きも重要な業務の一つです。
また、旅客船事業や船舶による貨物運送事業、港湾荷役や造船業など、海上交通に関わる多岐にわたる事業の許認可・登録取得も海事代理士の仕事です。
これらの手続きは、専門知識と経験が必要となるため、海事代理士のサポートが不可欠です。
- 船舶の建造や売買、相続や廃船などの登記、登録や検査、検認手続き
- 船員の雇用や海技資格取得・更新などの手続き
- 旅客船事業や船舶による貨物運送事業、港湾荷役や造船業といった各種事業の許認可・登録の取得など海上交通にかかわる手続き
海事代理士になるには、国家資格である海事代理士試験に合格し、法務省に登録する必要があります。
海事代理士は、8士業の一つに数えられ、職務上必要になった場合に戸籍・住民票を請求できる権限が認められています。
これは、海事代理士が公益性の高い専門的な業務を担っていることの証です。
10士業とは?
公認会計士、中小企業診断士、不動産鑑定士の3つの士業は、8士業から海事代理士を除き、公認会計士・中小企業診断士・不動産鑑定士の3つを加えた10士業に分類されます。
公認会計士
公認会計士は、企業の財務状況や会計処理の専門知識を有する、高度な専門職です。
監査、会計、税務、コンサルティングといった多岐にわたる分野において、独立した立場から専門的なサービスを提供します。
公認会計士の主な業務内容は、以下のとおりです。
- 監査
企業の財務諸表が会計基準に則って作成されているか、適正に表示されているかを検証し、その結果に基づいて監査意見を表明します。これにより、財務情報の信頼性を高め、投資家や取引先への情報開示の質を高めます。 - 税務
企業の税務申告書の作成、税務相談、税務に関するコンサルティングなどを行います。
税務に関する専門知識を活用し、企業の税務リスクの軽減や節税対策を支援します。 - コンサルティング業務
経営戦略の策定、組織再編、システム導入など、企業経営に関する幅広いコンサルティングサービスを提供します。
経営に関する豊富な知識と経験に基づき、企業の成長を支援します。
中小企業診断士
中小企業の経営課題に精通し、診断と助言を提供する専門家は、企業の成長を支援する重要な役割を担っています。
専門家の主な業務は、企業の成長戦略策定に関する専門知識に基づいた助言、具体的な経営計画の立案、そして実績や経営環境の変化に合わせた継続的なサポートです。
成長戦略の策定においては、専門家は企業の現状分析、市場調査、競合分析などを実施し、将来のビジョンや目標設定を支援します。
また、策定した成長戦略に基づいて、具体的な経営計画を立案します。これは、売上目標、利益目標、投資計画、人材育成計画などを具体的に策定することを意味します。
さらに、専門家は企業の実績や経営環境の変化を常に注視し、必要なサポートを提供します。これは、経営計画の修正、新たな戦略の立案、外部機関との連携支援などを含みます。
中小企業専門家は、企業と行政、金融機関などをつなぐ役割も担い、企業が抱える課題解決を多角的に支援しています。
不動産鑑定士
不動産に関する専門的な知識や経験を活かし、物件の有効活用や適切な価格評価を行うことを専門とするプロフェッショナルです。
主な業務内容は、不動産の経済的価値を評価する不動産鑑定、不動産に関する様々な角度からの調査や分析、顧客のニーズに合わせたコンサルティングなどです。
- 不動産鑑定は、地理的な条件や市場経済状況といった様々な要因を考慮し、不動産の価値を評価することで、適正な価格を決定します。
- 調査・分析・コンサルティングでは、不動産に関する多岐にわたる情報を収集・分析し、顧客の課題解決や意思決定を支援します。
税理士や弁護士などの独占業務
税理士の独占業務といえば、税務の代理・税務書類の作成・税務相談の3つが挙げられます。
これは、税理士法の第2条第1項第1号~3号の中で定められているものです。税理士は税金に関するプロフェッショナルで、主に税金の申告書の作成、申告の代理や税務相談が主体です。
節税や納税対策のコンサルティングやアドバイスなどの専門家として企業内での業務や個人事業主、個人の場合は相続などでいろいろな相談ができるわけです。
弁護士の独占業務は、法律相談業・裁判に関する書類の作成・刑事裁判の弁護人・民事裁判の代理人などです。
ちなみに、弁護士と読み方が類似している士業資格に弁理士があります。
弁理士の場合は、特許や意匠、商標など特許庁に対して出願および登録を行うなど知的財産全般を扱う専門家です。
弁理士の独占業務は、特許や実用新案など特許庁に対しての申請代行業務や実用新案などに関しての権利、技術上の秘密の売買契約などの代理業務で、弁護士とは異なる独占業務を持ちます。
まとめ
税理士や弁護士など士業資格にはそれぞれ独占業務があり、他の資格を持っている人がその領域に入ることができない決まりが設けてあります。
相続などで税理士や弁護士に協力を要請するケースがあるかと思われますが、相続税など税金に関する相談は税理士になりますが、遺言の作成などは弁護士に依頼する必要があるので、各士業の独占業務がどのようなことになるのか事前に把握しておくことで相談先を決めるときに役立ちます。
あいせ税理士法人でできるサポート
など
東京都新宿区、山梨県甲府市に事務所を構えておりますので、近隣の方はもちろんですが、税金に関してお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
関連記事
- 困った時に頼りになるおすすめの税理士の探し方とは
- 確定申告のプロが教える!税理士に渡 すべき資料とその方法
- 個人事業主が顧問税理士をつけるタイミングって !?
- 税理士におすすめ!ダブルライセンスの意味と役に立つ資格とは?
- 東京の税理士選びに迷ったら!おすすめ税理士事務所をご紹介
- 山梨で評判の税理士探し!おすすめの専門家をご紹介
その他の記事
-
フリーランスの税務調査対策!知っておくべきポイントとは?
「フリーランスで確定申告は不安…税務調査が怖い…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。 本記事では、フリーランスが知っておくべき税務調査に関する重要なポイントを解説しています。 税務調 […]
2025/3/19 -
固定資産税とは?償却資産税との違いや節税の方法を解説
「固定資産税と償却資産税ってどう違うの?」「固定資産税に節税方法はあるの?」とお困りの方必見! 本記事では、固定資産税と償却資産税の違いから、固定資産税の対象となる資産や、節税す […]
2025/3/14 -
減価償却とは?計算方法や定額法・定率法の違いを解説
「減価償却の計算って難しそう…」「定額法と定率法の違いがよくわからない…」そんな悩みをお持ちのあなたへ。 本記事では、減価償却の計算方法をわかりやすく解説します。 固定資産の減価 […]
2025/3/12