日本の共同通信社が19日に伝えたところによると、日本政府は目下、国内の主要空港が国際線搭乗手続きに「顔認証」システムの導入をサポートすることに力を入れている。顔認証による搭乗手続きを早急に実現して、手続きの効率を高め、旅客の待ち時間を短くすることを目指す。今春より、成田国際空港と羽田空港は一部路線で同システムを導入しており、関西国際空港も導入を積極的に検討中だ。
顔認証による搭乗手続きとは、搭乗券を受け取る、荷物を預ける、座席を決めるといった搭乗手続きを行う際に、カメラが撮影した旅客の顔写真をパスポートや利用する便の情報と関連づけることをいう。保安検査場と搭乗口で、旅客はパスポートと搭乗券を提示する必要がなくなり、カメラが自動的にその顔情報を読み取って、関連づけられた旅客の情報と照合する。
2017年、日本は20年に訪日外国人観光客がのべ4千万人を突破し、30年にはのべ6千万人を達成するとの目標を掲げた。このため、日本政府はさまざまな措置を取ってサービスの質を高め、より多くの観光客が日本に旅行に来るよう誘致している。夏には東京五輪が開催され、大勢の外国人観光客が航空機で日本を訪れる見込みだ。
一方、利用客数が増加を続けるのにともない、日本の各大手空港では対応しきれなくなってきた。統計によると、18年の成田空港の旅客処理能力はのべ4317万人に達し、4年連続で記録を更新した。成田空港に行くと、国際線の手続きカウンターはどこも長蛇の列で、順番が来るまで1時間も並ばなければならないときもある。
成田国際空港会社(NAA)の浜田達也専務取締役は、「空港の既存設備の拡充が難しい状況の中で、旅客数の大幅増加に対応するには、既存設備の作業効率をいかに高めるかがより重要になる。顔認証サービスがこの問題をうまく解決してくれる。分析によれば、顔認証手続きを導入すれば、セルフチェックインが7分以内で済むようになり、保安検査は10分以内で完了する見込みだ」と述べた。
顔認証搭乗手続きには多くの優れた点がある。旅客は搭乗券もパスポートも提示しなくてよくなり、列に並ぶ時間が効果的に短縮される。空港側は手続きカウンターや搭乗口に配置する人員を削減することができる。成田空港と羽田空港は出国審査に顔認証システムを導入済みで、関連の手続きがすべて顔認証によって完了する。このシステムのサプライヤーであるNEC(日本電気株式会社)は、「認証システムはいろいろな複雑な条件下でも人の顔を識別できる」と胸を張る。
日本の国土交通省は空港が顔認証専用設備を購入した場合に費用の一部として補助金を交付するほか、成田、羽田、関西の3大空港以外の主要空港にも顔認証搭乗手続きを導入し、手続きの処理の満足度向上に向けて努力するよう呼びかけている。
日本メディアは顔認証搭乗手続きは便利であると同時に、個人情報漏洩のリスクがつきまとうと懸念する。顔写真などの個人情報が外部に漏れるのを防ぐため、日本政府は空港が本人の身元確認以外の用途に情報を利用してはならないとし、また情報は取得から24時間以内に削除するとしている。また空港は乗客が顔認証による搭乗手続きと従来の方式での搭乗手続きと、どちらも自由に選べるようにするという。
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