遼寧省瀋陽市でこのほど開かれた2018年度遼寧省科学技術奨励大会において、中国科学院瀋陽自動化研究所(以下「同研究所」)の「『海翼』水中グライダー中核技術及び応用」プロジェクトが、遼寧省技術発明1等賞を受賞した。科技日報が伝えた。
水中グライダーは世界の重要な深海観測装備品で、海洋科学技術の進歩と海洋安全保障に対して重要な影響を持つ。欧米などの海洋強国は中国に対して、厳しい技術封鎖と輸出規制を行い続けてきた。中国政府及び遼寧省などの科学技術計画・プロジェクトの支援を受け、同研究所の「海翼」チームは15年の努力により中核技術を確立した。中国独自の水中グライダー技術体系を構築し、水中グライダー大深度連続安全潜水を実現した。水中グライダー全フロー最適化技術を確立し、水中グライダーの数カ月・数千キロの超長航続能力を実現した。水中グライダーの環境海流主体感知技術を解決し、ルートの正確な追跡・観測を実現した。チームは独自の知的財産権を持つ「海翼」シリーズ水中グライダーを開発し、国際的な技術封鎖を打破した。これにより中国の水中グライダーの全体水準が世界の先頭集団に入り、一部指標は世界トップ水準に達した。
「海翼」はすでに複数の海洋科学観測任務を行っている。東中国海、南中国海、インド洋、太平洋、ベーリング海などの中心海域を訪れている。海上観測日数は累計1700日以上、観測距離は4万キロ以上、最大観測応用深度は7076メートル、最長連続航行時間は170日以上にのぼる。水中グライダーの最大潜水深度、最長航続距離、最長連続航行時間など多くの国内外の新記録を樹立し、そして顕著な応用効果を達成している。
同プロジェクトは発明特許を13件獲得した。すでに産業化に向けた作業を終えており、全国の海洋関連ユーザーに普及している。顕著な経済・社会効果を生み出しており、海洋科学技術の進歩を促進している。
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