3月は確定申告の時期です。
「個人事業をやっていて、赤字になってしまったが確定申告をしなくていいの?」
「赤字でも確定申告をするメリットはあるの?」
あなたはこのような疑問をお持ちではありませんか?
今回の記事では、そんなあなたの疑問にこたえるために、赤字の際の確定申告について詳しく解説していきます。
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※この記事は現役税理士の山口由美子監修のもと作成しております。
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確定申告をしないといけない人
「確定申告をしないといけない人」とはどのような人でしょうか。
→実は、「納める税金」がある人です。
つまり、納める税金がない人は確定申告をしなくてもよいことになっています。
例えば、赤字の人や、事業は黒字だが社会保険料(健康保険、厚生年金)などの控除を引くと納める税金がない人などは、確定申告をしなくてよいことになっています。
個人事業が赤字の場合、確定申告はしなくてもよい
確定申告とは、所得に対して納める税の額を計算して申告するものです。
個人事業が赤字になった場合税金がかかりません。
このことから、もし事業が赤字になってしまった場合は確定申告をする必要はないのです。
それでも、個人事業主は赤字でも確定申告するべき!!
まず記帳についてです。
赤字の場合は確定申告しなくてもよいですが、日々の取引を記帳する義務はあります。そのため、確定申告をしなくても、帳簿類は記帳・保存してください。
次に確定申告です。
青色申告の場合、その年に出た赤字は翌年以降3年間繰り越すことができます。
翌年以降に黒字が出ると、その黒字と赤字を相殺することができます。
例)去年60万円の赤字が出たが、今年は黒字が200万円出た。
所得控除は0円としたときの税金はいくらでしょうか。
・去年に赤字の申告をしている場合
今年の黒字200万円と去年からの赤字60万円を打ち消すことができます。
そのため200万円-60万円=140万円に税金がかかります。
税額の計算
(200万円-60万円)×5%=7万円
・去年に赤字の申告をしていない場合
この場合は今年の黒字200万円そのものに税金がかかります。
税金の計算
200万円×10%-97,500円=102,500円
税率が変わっているのは、所得税は所得が大きくなるほど高い税率になるためです。
上記の例では、赤字の申告をしているケースが申告をしていないケースより32,500円の節税になります。
特に開業1年目などは開業のための費用が大きくなり、赤字になることが多いです。
しかし、翌年以降に利益が大きく出るということもあります。翌年に黒字が出るか今年の時点ではわからないと思いますが、それゆえに赤字でも確定申告をしておいた方が安全です。
注意点
損失の繰り越しは青色申告の特典のため、白色申告ではできません。
損失の申告をする場合は、所得税確定申告書Bで第一表、第二表、第四表のほかに青色申告承認申請書を提出する必要があります。
では、
事業所得で損失が出たが、同じ年に給与所得と株の売却による黒字があったときはどうなるのでしょうか。
事業所得で損失が出たが、同じ年に給与所得と株の売却による黒字があったとき
この場合の手順は、
①まず、事業所得の赤字と給与所得の金額を相殺します。
②給与所得≧事業所得の赤字の場合
この場合は翌年以降に繰り越す赤字はありません。
そのため損失申告はしません。すでにお給料から天引きされている源泉所得税が、事業所得の赤字分戻ってきます。
③給与所得<事業所得の赤字の場合
この場合は相殺してもまだ事業所得の赤字が余るので、余った赤字を翌年に繰り越します。
上記の説明で株売却の黒字には一切触れていません。
これは事業所得の赤字を相殺できる所得とできない所得があるからです。
事業所得の赤字が相殺できるもの(翌年以降の黒字も含む)
事業所得、不動産所得、給与所得、雑所得など
事業所得の赤字が相殺できないもの
株の売却益、土地・建物の売却益、先物取引の差益など
事業所得の赤字を他の所得の黒字と相殺することを「損益通算」といいます。
申告するのを忘れたら…
もしも期限内に申告するのを忘れたら…。赤字の場合は確定申告をする必要はありません。しかし、青色申告の場合は赤字でも申告した方が節税になります。
では、確定申告するのを忘れたらもう手はないのでしょうか?
実はあります。それが「期限後申告」です。
昔は期限後に申告しても、赤字の繰り越しは認められませんでした。
しかし平成23年度の税制改正で、期限後に申告しても認められるようになりました。もし、去年の申告をしていない人は今からでも行いましょう。
自分で確定申告を行うのが面倒だと思う方・難しいと思う方・時間がつくれないという方は、ぜひ、あいせ税理士法人の確定申告代行サービスを利用してみてはいかがでしょうか?
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